2010年4月9日金曜日

『CL●CKW○RK CENTIPEDE』

『CL●CKW○RK CENTIPEDE』



ナスカの地に久方ぶりの雨が降る

片輪の百足の様に地上に刻まれる

繰り返すはなぞる雨脚定められた

リズム

時針は時折思い出されたかの如く

重い左足振り上げ地上に刻まれる

渇いた地には意味深げ浮き上がる

リズム

宇宙より降り注ぐ星の伝言の如く

わたしは冷たい貝殻撫でてみたの

隠された黄金は恐竜とともに眠る

リズム

深呼吸束の間海底の夢幻を見たわ

竜は遠く果てない瞳をしていたわ

それは決して逃れることの叶わぬ

リズム

それは悲しい程定められた速度で

それは水の支配によるものなのよ

星の数程の砂をわずかな雨が打つ

リズム

宇宙飛行士は赤と黒の衣装を纏い

女神達は花々とともに捧げられた

雨は点々と跡を残し大地に融ける

リズム

呼吸を許されしものはみなすべて

線となり交わる大河天空立法銀河

熱が脈打つ月の去った大地に戻る

リズム

これは定められた正回転そう運命

干涸びたあの鳥が宙を埋める様に

天と地が近づき青い空を月が包む

リズム

正転し逆転し光は闇を求め銀河へ

既に数え忘れられた新たな銀河へ



赤く燃ゆる月が

干涸びた太陽を

喰い尽くさんと



わたしが足を引きずり引きずり祭壇に立つと

すでに逆転し始めた時は止まろうとはしない

わたしの心を肉体を支配し砂漠は様相を変え

深く深く水で侵された夜をもたらし即消えた

ひとときのこととおもわれたのは神の為す業

わたしは紛れなくわたしに宿る神を自覚した

何にも例えること叶わぬ得体の知れぬ狭間に

引き裂かれた大地と大地の狭間に神は在った

深海の底果てない闇に神は在り水面は誘った

わたしは捲り上げられた黄金を見たかの如く

白銀の水中に狼狽えていたのだがそれも今や

定かではない生温い風の吹く丘に立っている

満ち満ちた海は唸り天を眼指し蜷局を巻いた

雷鳴さえ音無く何故か心の臓と血液とが呻き

砂漠にはただ一本の大樹のみが遺されていた